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窓の適当に選ぶと後悔するといわれる理由

断熱性を高めるには断熱材の材料をより良いものにすればよいのではないか、と考えますが、実際のところ外からの風は窓から侵入することが多いです。これは一般的な窓の場合壁の10分の1程度の断熱性能となっており、部屋を冷やしたり暖めたりしたとしても窓からどんどん空気が逃げてしまいます。数値では冬の暖房時に逃げる熱がおおよそ50%、夏は外から70%の熱が入り込むと言われています。壁から逃げたり入ってきたりする熱は20%程度とされているため、窓がとても重要なのがわかります。使用する窓によっては断熱性能が3倍ほど違ってくるので十分に検討しなくてはなりません。

窓の場合サッシとガラスの2つに構造がわかれます。サッシの素材にはアルミやアルミ樹脂複合、樹脂のみ、木製のみの4つがあります。断熱性能が最も低いのはアルミサッシであり、最も高いのが木製となっています。アルミにおいては木製や樹脂よりも1000倍以上熱を通す性質がありますが、耐久性や気密性が優れていること、安価で使用することができることから普及された経緯があります。結露の原因になることもあり、近年の住宅においてはアルミを使用することは少なくなってきました。アルミ樹脂複合サッシは素材そのものが複合されているのではなく、室内に熱が伝わりにくい樹脂を、室外に耐久性の高いアルミを使用しているものを指しています。

ガラスにおいては昔はガラス1枚で構成される単板ガラスが用いられていましたが、現在ではガラス2枚を使用した複層ガラスを用いることが多くなっています。この複層ガラスはペアガラスとも言われており、現在のところさらに追加したトリプルタイプのものもあります。また間に乾燥した空気層がありますが、断熱性を高めるために真空やアルゴンガスを入れたものもあり、特に寒い地域に多く設置されています。

防音性を高めるには窓を二重にするのが良いのですが、異厚複層ガラスを使用する方法もあります。これは室内側と室外側の厚さが異なっているペアガラスであり、共鳴を減少させるので遮音性にも優れています。

窓は設備よりも安易に考えてしまう部分であり、さらにデザインばかりを重視してしまうと実際に住んだ時に機能性が劣ってしまい、快適に生活をすることが難しくなります。窓は躯体と同様に大切な部分であり、一度設置するとキッチンやトイレといった設備のように簡単に変えることはできません。適当に選んでしまうと結露ができてしまう原因となるのでしっかりと考えるようにします。